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新型コロナウイルス・家庭内での注意と工夫

〈おうちライフ〉新型コロナウイルス 家庭内での注意と工夫

日本公衆衛生学会認定専門家 遠藤幸男さん
新型コロナウイルスの新規感染者数は徐々に減少してきましたが、警戒心を弱めることなく、行動していくことが大切です。厚生労働省は、家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいた場合の家庭内での注意事項を発表しています。今回は、日本公衆衛生学会認定専門家の遠藤幸男さんのお話しです。
参考にして下さい。

“自分が感染していたら”と意識
感染経路の分かっている新規感染者のうち、家庭内感染とみられるものが目立っています。“自分が感染していたら”という意識で、家庭内でも拡大防止を心掛けましょう。

乳幼児がいる家庭では、特に接触感染に注意してください。乳幼児はマスクの着用や手洗いが難しいため、親の配慮が必要です。

さまざまな場所に付着したウイルスに触れて感染することを防ぐため、みんなが触れることの多い、テーブルやドアノブ、電気のスイッチ、おもちゃなどは頻回に消毒してください。ウイルスの付いたおもちゃや本などに触れた手で、口や鼻、目を触ることでも感染する恐れがあるので、手洗いや消毒も大事です。子どもが触れやすい床の水拭きや消毒なども大切です。

同じ食卓で食べる場合は、向かい合わせではなく横並びで離れて食べる、料理の盛り付けは大皿でなく個別に小皿でするなどの工夫ができます。

次に、仕事などで頻繁に外出する家族には、帰宅後、顔と手指を洗い、服を着替えてもらいましょう。可能なら、すぐにシャワーを浴びることをお勧めします。
例年以上に熱中症に警戒を
ここ1、2週間で気温が上昇し始めました。気を付けたいのは、熱中症です。

暑い中でマスクをしていると、喉の渇きに気付きにくく、体の熱がこもりやすくなります。また、外出自粛により、体が暑さに慣れていく“暑熱順化”が進んでいません。

適度な運動や湯船に漬かるなどし、汗をかくようにすることで徐々に暑さに体を慣らしていきましょう。また、エアコンを適切に使い、暑い中での長時間の外出を避けることも、熱中症予防には有効です。

特に高齢者は脱水状態になりやすいので、小まめに水分を取ってください。カフェインの含まれていない麦茶やミネラルウオーターがお薦めです。カフェインやアルコールには利尿作用があり、体内に水分がとどまりにくいので注意が必要です。

熱中症が疑われるときは、ただ水分を取るだけでなく、経口補水液や、自分でも作れる0・1~0・2%の食塩水もよいでしょう。

多くの人が長引く感染対策にストレスや疲労、孤独を感じています。感染症との戦いは長期戦ですが、正しい情報を得て、正しく恐れ、具体的に行動していく以外にありません。一人一人が孤立しないように、電話やメール、SNSを存分に活用してください。
人とのつながりを保ち、心を一つにしていくことで必ず乗り越えていけるはずです。
広げないための大切な8ポイント
1.部屋を別々にする
感染者の部屋と他の家族の部屋をできるだけ分け、感染者は極力部屋から出ないようにする。
部屋を分けられない場合は、感染者から2メートル以上の距離を保ったり、仕切りやカーテンなどを設置したりする。寝る時は、枕の位置をそろえずに互い違いにするとよい。
共用スペース(トイレ、バスルームなど)の使用は最小限に、使用後は換気を十分に行う。
2.世話をする人を限定
感染者の身の回りの世話は、可能な限り一人に決めておいた方がよい。ただし、心臓や肺、腎臓に持病のある人、糖尿病の人、免疫の低下した人、妊婦が世話をするのは避ける。

3.全員がマスクを着用
家族全員がマスクを着用する。使用したマスクは、他の部屋に持ち出さずに部屋の入り口に置くか、すぐ捨てる。
マスクを外す際は、ゴムやひもをつまんで外し、マスクの表面には触れない。外した後は必ず石けんで手を洗うか、消毒する。

4.小まめに手を洗う
ウイルスの付いた手で目や鼻、口などを触ると粘膜を通して感染することがある。小まめに石けんを用いた手洗いかアルコール消毒をする。

5.定期的に換気をする
風の流れができるよう、2カ所の窓を1回につき数分間全開にする。回数は1時間に1回以上。
窓が一つしかない場合、入り口のドアも開ける。扇風機や換気扇も使う。
※通常の家庭用エアコンは室内の空気を循環させるだけで換気しない。

6.共用部分はすぐに消毒
タオルや食器(箸、スプーンなど)を共用しない。
タオル、衣類、食器などは、通常の洗濯や洗浄で構わない。感染者の使用した物を分けて洗う必要もない。
使用後の食器がどうしても気になる場合は、熱湯あるいは消毒液に10分以上浸した後、通常の洗浄を行えば、他の人の使用が可能である。
ドアノブや電気のスイッチなど、家族が多く触れる場所を0・05%の次亜塩素酸ナトリウム(薄めた漂白剤)で拭いた後、水拭きか、アルコールで拭く。
トイレや洗面所はウイルスが付着しやすいので清掃を小まめに行う。

7.汚れた衣服は洗濯する
新型コロナウイルス感染症は、糞便から検出されることがある。衣類や布団、枕カバーに、下痢や嘔吐などの体液が付いている可能性がある場合は、80度・10分以上の熱湯消毒をしてから、通常の洗濯を行う。気になる場合は、他の人の物とは分けて洗濯する。
体液で汚れた衣服やリネンを取り扱う場合は、手袋、マスクを使用し、家庭用洗剤を使って洗濯した後、完全に乾かす。

8.ごみは密閉する
鼻をかんだティッシュペーパーなどは、すぐにビニール袋に入れ、室外に出すときは密閉して捨てる。その後はすぐに、石けんで手を洗う。

えんどう・ゆきお インフェクションコントロールドクター、日本公衆衛生学会認定専門家、社会医学系専門医協会(8学会)指導医・専門医、救急科専門医、総合南東北病院予防医学研究所所長、医学博士。

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