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持続性知覚性姿勢誘発めまい

⚫︎視覚の刺激や体の動きに反応する「持続性知覚性姿勢誘発めまい」

今日のポイント

放置することなく医師に相談を
「めまい」は、その症状が第三者に分かりにくいことなどから、きちんとした診断を受けていない人も多いのではないでしょうか。今回は、「持続性知覚性姿勢誘発めまい」について、新潟大学大学院医歯学総合研究科の堀井新教授(耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野)のお話しです。どうぞ参考にされて下さい。

かつては「めまい症」と診断
「めまい」は、さまざまな原因で起こります。最も多いのが、耳の中にある前庭器(三半規管、耳石器)の異常が原因となっているもので、「メニエール病」「良性発作性頭位めまい症」「前庭神経炎」などが知られています。あるいは「突発性難聴」「中耳炎」などでもめまいを感じることがあります。
そうした前庭器の異常以外で、脳梗塞や脳腫瘍などが原因だったり、あるいは心身のストレスなどによるもの、精神疾患が原因だったりすることもあります。めまいの症状が長く続く場合や、繰り返される場合には、放置することなく、一度、専門医の診断を受けることをお勧めします。
一方で、かつては、そのはっきりとした原因が分からないことから「めまい症」と診断されていたケースも多くありました。ところが、実際は、その3分の2程度が「持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)」という疾患ではないかと考えられるのです。

「めまい」が続くと「生活の質(QOL)」は低くなってしまう(PIXTA)
検査で異常はないのに機能に異常が
この疾患は、前庭器の異常による器質疾患、あるいは精神疾患でなく、いわば消化器疾患における過敏性腸症候群のような「機能性疾患」だと考えられています。
すなわち、各種検査を行っても、どこにも異常はないのに、機能に異常が現れているのです。
私たちの体は耳(前庭覚)、目(視覚)、手足(体性感覚)によってバランスを取っています。例えば、目をつぶると片足で立っていることが難しくなり、手足で一生懸命にバランスを取るでしょう。つまり、いずれかの感覚が障害を受けると、他の感覚がそれを補おうとするのです。
ですが、これが元に戻らないと、視覚の刺激や体の動きに過剰に反応してしまい、めまいが発症してしまうのではないかと考えられています。
これが「PPPD」です。2017年に、めまいの国際学会で診断基準が策定され、翌年には世界保健機関(WHO)の国際疾病分類第11回改訂版に新規収載されました。
3カ月以上持続するめまいが患者さんの主な訴えで、そのめまいの特徴は、フワフワする浮動性、グラグラする動揺性といった非回転性のめまいです。立ったときや歩いたとき、あるいは動くものや複雑なパターンを見たときに症状が悪化し、いったん悪化すると、短時間で収束しないといった特徴があります。

症状や病歴を詳細な問診で確認する
先に述べたように、器質的な異常がありませんので、現時点で、この疾患についての特別な平衡機能検査や画像検査はありません。そのため、診断基準を満たすかどうかを確認するためには症状や病歴に関する問診が大切になります。
次に、その内容を示しますので、めまいの症状がある方は、ご自分が当てはまるかどうか、確認をしてみてください。

【診断のための問診】
あなたのめまい症状は、次のようなことで悪化しますか?
①急に立ち上がる、急に振り向くなど、急な動作をする。
②スーパーやホームセンターなどの陳列棚を見る。
③普段通りに自分のペースで歩く。
④テレビや映画などで、激しい動きのある画像を見る。
⑤車、バス、電車などの乗り物に乗る。
⑥丸イスなど、背もたれや肘掛けのないイスに座った状態を保つ。
⑦何の支えもなく、立ったままの状態を保つ。
⑧パソコンやスマートフォンのスクロール画面を見る。
⑨家事など、軽い運動や体を動かす作業をする。
⑩本や新聞などの細かい文字を見る。
⑪比較的速い速度で、大股で歩く。
⑫エレベーターやエスカレーターに乗る。

それぞれ、0~6点の7段階で評価し、72点満点となります。実際の診断では、診断基準にのっとった詳細な問診が必須となりますが、27点以上であれば、PPPDの可能性があるかもしれません。

スーパーなどの陳列棚を見ると症状が悪化することも(PIXTA)
薬物治療や平衡感覚の訓練を行う
自然軽快することは少ない上、治療を行わない場合、不安症等を続発することもあり得、めまい症状も長期に継続してしまいます。
「SSRI(パロキセチン塩酸塩水和物)」や「SNRI(ミルナシプラン塩酸塩、デュロキセチン塩酸塩)」といった抗うつ薬を用いた治療を行うことで、症状の改善に効果があることが分かっています。
加えて、前庭リハビリテーションといって、平衡感覚の訓練も有効です。症状が出始めた時期に行うと、めまいが悪化することがありますので、ある程度落ち着いた状態で、無理のない範囲で行うようにします。
目や首、頭を動かしたりする簡単な動作ですが、医師と相談して行ってください。あるいは、心療内科医や臨床心理士のもとで行う認知行動療法の有効性も指摘されています。
いずれにせよ、めまいが続くと、「生活の質(QOL)」は大きく低下してしまいます。専門医の診断を受けるとともに、ストレスをためないような生活を心掛けてください。

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