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健康ページ【悪性リンパ腫】

健友館ゆうき整体院の栗野雄二です。

ホームページをご覧いただきありがとうございます。

今回は【悪性リンパ腫】についてです。

どうぞ参考にして下さい。。

 

血液がんのなかで最も多い

 血液がんのなかで最も患者数の多い「悪性リンパ腫」。悪性という名称から、とても悪い病気のように思われますが、治療成績は向上してきています。この病気について、愛知県がんセンター中央病院(名古屋市千種区)血液・細胞療法部の木下朝博先生のお話です。

 

数多くの病型に分かれる

 血液は、骨髄の中にある「造血幹細胞」が分化・成熟して、免疫機能を担う「白血球」、酸素を運搬する「赤血球」、血管が損傷を受けた時に血を止める「血小板」などの成分からできています。

 このうち、白血球に含まれる「リンパ球」が、がん化する病気の総称が「悪性リンパ腫」です。

 「リンパ球」は、骨髄や血管のほか、全身のリンパ節という器官にあります。がん化した「リンパ球」は、主にリンパ節で増殖し、腫瘍を作りますが、胃や腸など、リンパ外臓器(節外臓器)に腫瘍が生じることもあります。

 また、「リンパ球」の種類も、B細胞・T細胞・NK細胞などさまざまです。

 したがって、「悪性リンパ腫」といっても、進行のスピードによる分類なども加えると、数多くの病型がありますが、以下の2病型に大別できます。

 ①ホジキンリンパ腫

 この病気を発見したトーマス・ホジキン医師の名から、従来は「ホジキン病」と呼ばれていたもので、悪性リンパ腫の中でも5~10%の割合となっています。

 リンパ節の腫れが顕著な症状で、抗がん剤や放射線治療の効果が高いので、きちんと治療すれば8割近くが治ります。

 ②非ホジキンリンパ腫

 90%近くがこの病型です。病理学的に、さらに多くの病型に分類できますが、中でも多いB細胞性が70%を占めており、残りの20%がT細胞性、NK細胞性となっています。

近年、治療成績が向上

 

痛みを伴わないしこりの場合も

 主な症状で最も多いのが、首や脇の下、鼠径部(脚の付け根)など、体の表面にあるリンパ節が腫れることです。痛みを伴わないしこりとして現れることも多くあります。

 節外の中枢神経に起こると手足のまひ、肺なら、せきや呼吸困難、胃や腸ならタール便(血便)や吐血、腹痛や嘔吐などの症状が見られます。

 全身的な症状である発熱や体重減少、盗汗(ひどい寝汗)などは「B症状」といわれ、病状が進行している場合に見られます。

 それ以外にも、皮膚の発疹やかゆみ、体の痛みなど、発生する場所によって現れる症状が違います。

 したがって、胃の内視鏡検査や腹部超音波検査、胸部エックス線検査や血液検査など、他の疾病を疑って受診した際の検診で、「悪性リンパ腫」が見つかる場合もあります。

治療法はタイプ別に異なる

 「悪性リンパ腫」の診断には、リンパ節の一部や腫瘍の組織を切り出す生検、エックス線を用いたレントゲン検査やCT(コンピューター断層撮影)検査、ポジトロン断層法(PET)検査、血液検査や骨髄穿刺検査などを行います。

 診断された後の治療法は、病気のタイプ別に選択されます。

 したがって治療法を選択する前に、①病型②病気の進み具合を示す病期(ステージ)③全身症状(B症状)があるかどうか④節外の病変数などを、さらに詳しく調べることになります。

 主な治療法は、大きく薬物治療と放射線治療に分けられます。タイプ別の治療法は以下の通りです。

 ①びまん性大細胞型B細胞リンパ腫

 日本の「悪性リンパ腫」で最も多いもので、「CHOP療法」といわれる抗がん剤を用いた薬物療法に「リツキシマブ」という薬を組み合わせた「R―CHOP療法」と呼ばれる薬物療法が代表的に用いられます。

 この「リツキシマブ」は、分子標的薬と呼ばれる薬の一種で、リンパ球の表面にあるCD20というタンパク質と結合することで、免疫細胞が、がん細胞を攻撃しやすくしてくれます。

 「リツキシマブ」を使用した療法は「抗体療法」と呼ばれています。

 半年程度、6~8回の薬物療法により、70%近くの人が治癒します。

 効果が不十分だったり再発した場合には、ほかの薬を使った薬物療法を行います。

 加えて造血幹細胞の自家移植を検討します。自家移植の効果は高いのですが、移植前に大量の抗がん剤を使用するため、体にかかる負担は大きくなります。したがって通常は、65歳以下の方のみに行います。

 ②ろ胞性リンパ腫

 がんの範囲が広がっておらず限局的な場合、放射線療法が選択され、広がっている場合は、「リツキシマブ」を使用します。

 腫瘍が小さい、リンパ節の腫瘍が少ない、全身や臓器の症状がないなど、低腫瘍量の条件を満たす場合には、治療を行わず、経過観察をすることもあります。

 そうした場合でも、進行が比較的遅いタイプですので、予後は変わりません。

 ③MALTリンパ腫

 リンパ節以外の臓器(節外臓器)にできやすいタイプのものです。特に胃の粘膜に多く見られ、ピロリ菌が関係しています。ピロリ菌の感染があった場合、除菌で70~80%は治癒します。

 除菌で効果がなかった場合や、胃以外の他の臓器に起こった場合は、他のタイプと同様に、薬物治療や放射線治療を行うか手術も用いられます。

     ◇

 「悪性リンパ腫」の治療では、手術を必要とすることはまれですが、消化管原発のリンパ腫では、時に消化管穿孔などを引き起し、手術を選択しなければならない場合もあります。

 一般的な治療法である薬物療法も、薬の進歩により効果が高く、悪性度の高いリンパ腫であっても、今後、治療成績がいっそう向上することが期待されています。

 いずれにせよ早期発見と適切な治療のためにも、リンパ節の腫れが気になったら、一度、受診してみることをお勧めします。

 

 

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