椎間板ヘルニアってどんな症状・・?
20~40歳代に多い病気
椎間板は、椎対同士を接着させ、つなげている軟骨です。(図1参照)
圧力を分散させるクッションの役割を果たす、とても重要な組織です。
その構造は、中央部がゼラチン状の「髄核」、
周囲はコラーゲン線維からなる「繊維輪」からできています。(図2)
髄核を「あんこ」、繊維輪を「パン」に見立て、
しばしば「あんパン」に例えられます。
ヘルニアは、何らかの原因で、あんパンの「あんこ」が飛び出した
状態といえます。(「ヘルニア」はラテン語で「飛び出した」という意味)。
繊維輪に弱い部分があると、そこをめがけて髄核が膨らみ、
その部分を押し出すようにしてヘルニアが発生します。
しかし、なぜ繊維輪に弱い部分ができるのかなど、詳細は明らかになっていません。
現状で分かっていることは、ヘルニアになりやすい体質の人がいることと、
職業やスポーツ、生活習慣などで一定の動作が繰り返されることで、
発病に至るのではないかということです。
また、高齢者の病気というより、比較的若い人に起こる病気です。
10歳代の患者さんもいますが、多いのは20~40歳代。
50歳代後半から、減っていきます。
髄核が繊維輪を破っただけで持続的な腰痛を起こすことはないそうです。
その圧迫によって、馬尾や神経根などの神経に刺激が加わり、
周囲に炎症が起きることによって、脚のしびれや痛みなどの
症状が生じてくるのです。(図3)