私は20数年もの間
売れる営業マンと売れない営業マンを
たくさん見てきた。
たとえば、あなたがお客様として
何かものを購入する場合
いったいどんな営業マンから
買いたいと思うだろうか。
親切な人
知識がある人
笑顔の人
説明の上手な人
それとも、値引きしてくれる人だろうか。
そもそも
営業マンが人から嫌われてしまうのは
「営業をする」からだ。
だから
人は「営業をしない」人から買いたいのだ。
たとえば、あなたがシャツを買いに
デパートに行ったとしよう。
そこに現れた販売員は
あなたの興味を引こうと
みえみえのお世辞を連発し
営業スマイルで、わざとらしい積極さと
何でもいうことを聞きます的な従順な態度で接してくる。
「これなんか、お似合いですよ」
「じゃあ、これはどうですか?
お客様は何を着てもお似合いになりますね」
「このシャツは超お買い得ですよ!」
「これは今、流行ってて
かなり売れてますよ」
あなただったらどうするだろうか?
たしかに、シャツがほしくてやってきた。
販売員がいうとおり
似合っているような気がするし
値段も確かに安そうだ。
しかし、最後の決断がなかなかできない。
そして、迷ったあげくに「また来ます」と
ごまかして、二度と行くことはない。
そんな経験が一度や二度はあるだろう。
なぜ
最後の最後で購入に踏み切れなかったのか。
それは、その販売員を
「信じきれなかった」からだ。
本当のことをいっているのか、嘘なのか
判断できなかったのだ。
もし、この販売員が、
「こちらのシャツは似合ってませんよ。
こちらのシャツの方がお似合いですよ」
「この手のシャツでしたら
隣の店にオススメのものがございますよ」
「来週からセールが始まりますので
今日は買わないで帰ったほうがいいですよ」
などといってくれたとしたら
その販売員から買いたいと思わないだろうか
その理由は
この販売員が正直な人だと感じたから。
嘘をいわない人だと感じたからだ。
「あなたがいうなら間違いない」
と信じられたとき
最後の決断ができるようになる。
「高くてもいいから、あなたから買いたい」と、営業担当者の付加価値を
評価してもらえたら理想的だ。
すべての人間関係に、この法則が当てはまる
好かれている人は
相手に受け入れてもらう努力はせず
あくまで自然体だ。
正直に思っていることを伝え、その結果
嫌われてもかまわない。
そんな態度で接している。
自然体で正直な人というのは
相手と親しくなるために、無意識に
「操ろうとする習慣」から解放されている。
【人の心に灯をともす】https://merumo.ne.jp/00564226.html より
「人生とは面白いものだ。
何かひとつを手放したら、
それよりずっといいものがやってくる」
(サマセット・モーム)同書より
販売店などで、売ろう、売ろうとする人は
それを見すかされる。
現代社会においては
お客を操ろうする人は嫌われる。
売り込もうという意識を手放し
損得を考えずに
自然体の気持ちで接するなら
相手との信頼感は増すのに…
これは人間関係にも言えること。
好かれよう、好かれようとすればするほど
好かれない。
欲しい、欲しいと思えば思うほど
手に入らない。
ウケけよう、ウケようとすればするほど
ウケない。
人は敏感だ。
そこに作為的なものや損得を感じると
サーっと潮が引くように引いていく。
「何かひとつを手放したら
それよりずっといいものがやってくる」
いつも自然体の人は魅力的だ。