体の中心に位置する骨盤は、二足歩行の人間にとっては上半身を
支えるという重要な役割があるばかりか、腸や泌尿器、子宮、卵巣と
いった大事な内臓や生殖器を保護する役目を担っています。
骨盤を構成しているのは主に仙骨と腸骨で、仙腸関節でつながっています。
正常な骨盤はハート型で、仙骨を中心に腸骨がきれいな逆三角形を描いて
いますが、これが左右に広がったり、上下、左右に傾いたりするのが、
いわゆる「骨盤の歪み」と呼ばれるものです。
骨盤は基本的に筋肉と靭帯で支えられていて、関節は仙腸関節のみ。
いわば宙に浮いたような状態にあるわけですから、姿勢の悪さや日常動作の
クセなどによっても、容易に傾いてしまいます。それだけに歪みのない現代人は
いないといってもいいほど、だれでも少なからず歪みは生じているものです。
ほかの骨格に比べ、骨盤の歪みは女性に多く生じるのが特徴です。
なぜなら女性の体は、女性ホルモンの働きにより、出産に備え、骨盤を
つないでいる靭帯が緩みやすくなっているからです。とりわけ出産を経験した
女性は、骨盤に何らかの異常が認められるはずです。
それをいつまでも放っておくと、歪みにより周囲の筋肉が緊張して硬くなり、
それがまた別な歪みを引き起こすといったように連鎖的に広がり、さまざまな
トラブルを引き起こします。
まず第一に、骨盤が歪んで広がってくると、内臓が下垂して下腹がぽっこり
出てきます。お尻も垂れてくるし、ウエストのくびれもなくなります・・・。
つまり下半身を中心に、ボディーラインがどんどん崩れてきてしまうのです。
特に内臓下垂の人は、全体的にはやせているのに、下腹だけが異常に
ぽっこり出てきます。お腹ばかり脂肪がつくのは、もちろん腹筋が弱まっている
のも一因。。これではいくらやせていても美しいプロポーションとはいえないし、
第一、不健康ですね。
次回に続く。