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健康ページ【下肢静脈瘤】

体に優しい新たな治療法も

足の静脈に血液がたまり、血管がこぶのように膨らむ「下肢静脈瘤」。初めは痛みなどの症状がなく、放置されている場合も多いのですが、足の筋肉の負担になっていたり、うっ血により血液の循環が悪くなったり、さらには、皮膚炎や、色素沈着の原因になったりもします。この病気について、広島逓信病院の脈管専門医・杉山悟外科部長のお話です。

下肢の静脈の種類

正常な弁では血液は逆流しないが、弁が壊れた状態では、血液が逆流してうっ血が起こる

生活の質(QOL)が低下

 足の静脈は、筋肉の深いところにある「深部静脈」と皮膚の近くにある「表在静脈」に大別されます。

 静脈には、血液を心臓に戻す働きがあります。足の静脈では、筋肉の収縮がポンプ機能を果たしており、足の下から上へ血液を押し上げています。

 その血液が逆流するのを防ぐため、静脈内には「弁(静脈弁)」があります。

 この弁が何らかの理由で壊れ、血液が逆流すると血管が拡張・蛇行し、浮き出してこぶ(瘤)のように見えるのです。

 これが「下肢静脈瘤」です。圧倒的に女性の罹患者数が多く、原因は主に以下の四つになります。

 ①女性=妊娠・出産を機に発症することが多くあります。女性ホルモンの影響があると思われます。

 ②長時間の立ち仕事=理容師や美容師、調理師や販売員など、同じような姿勢で立っている時間が長いと静脈に負担が掛かります。

 ③加齢=それまでの立っていた時間の蓄積があり、発症しやすいと思われます。

 ④遺伝=体質的に静脈弁や静脈壁が弱い可能性があります。

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 罹患して、すぐに症状が出ることはないのですが、そのままにしておくと、足のむくみやだるさ、痛みやかゆみ、夜間のこむらがえりなど、不快な症状が現れてきます。

 また、女性に多いことから、見た目を気にする人もいるでしょう。

 そうしたことで外出を控えたりするなど、生活の質(QOL)が低下してしまいます。

 症状の強さは、必ずしも外見の症状の強さに比例しません。見た目には、こぶがたくさんできて目立っていても痛みがない場合があります。

 痛みがあれば、病院に行きやすいのですが、「たいした痛みではない」「どこに相談していいか分からない」などの理由で治療をしなかったり、逆に治療の痛みを想像してしまい通院をためらう人も多いようです。

レーザーや高周波で手術

 先ほど述べたような症状に加え、膝の痛みや腰の痛みがある人も「下肢静脈瘤」の可能性があります。

 「下肢静脈瘤」かどうかは、超音波検査で簡単に調べることができます。血管外科でなくとも外科での診察も可能です。

 治療では、まず「下肢静脈瘤」の程度・範囲などについて診察します。小さい静脈瘤であれば、薬剤を注射する「硬化療法」だけで、すぐその場で治療できるものもあります。

 注射だけで完治しないタイプの「下肢静脈瘤」であれば手術を検討します。

 手術には以下のものがあります。

 ①ストリッピング手術(静脈抜去術)=長年、行われてきたもので、弁の壊れた静脈ごと引き抜きます。

 ②レーザー・高周波手術(焼灼術)=2011年にレーザーが、昨年には高性能レーザーと高周波が、保険適用になりました。

 静脈内にカテーテルを挿入し、レーザーや高周波を使って静脈を焼いてふさぎます。局所麻酔で行われ、20~30分程度で終了しますので、日帰り手術が可能ですが、1泊入院した方が楽でしょう。

 かつてのレーザーと比べ、新しいレーザーや高周波では術中・術後の痛みも少なく、患者さんの負担も大幅に軽減しています。

ためらわずに医師に相談を

 手術後は、包帯と治療用のストッキングを着用して、治療は終了です。

 その後、何度か通院の必要がありますが、手術をすれば、すぐに症状がなくなります。

 日常生活や軽い仕事は手術翌日から可能で、シャワーは4日目から、入浴は治療後1週間程度でできます。

 手術で静脈を取り除くとの説明を受けると、びっくりされる方が大勢います。

 ですが、表面の悪くなった静脈を取っても、足には他にも静脈がたくさんありますので、全く支障はありません。むしろ、血液の循環の妨げとなっている静脈はない方がいいのです。

 「下肢静脈瘤」が原因で、肺に血栓(血の塊)が飛び、「深部静脈血栓症」になるのではと思われている方もおられます。

 しかし、一次性の下肢静脈瘤では、血液がたまっていることが大半ですので、まずその心配はありませんし、良性の病気なので慌てて手術をする必要はないでしょう。

 でも、「下肢静脈瘤」は決して自然治癒する疾患ではありません。歩行する限り、次第にひどくなってしまいます。

 先ほど述べたように、軽い場合は、足が疲れる程度ですが、ひどくなってくると、夜中にこむらがえりが頻繁に起こるようになったり、足が腫れたり、さらには色素沈着など、皮膚病変ができたりします。

 「下肢静脈瘤」であっても、その足のだるさに慣れてしまって、症状を感じていない人も多くいます。

 そうした人が治療を受け「足が大変軽くなった」という喜びの声をよく聞きます。

 また、術後の再発防止のためには弾性ストッキングが有効でしょう。長時間、同じ姿勢で立っている時は足を動かす、足を高くして寝るなども予防になると思います。

 ともあれ、治療によって不快な症状はすぐになくなります。手術法も進歩し、体への負担も少ないので、高齢者にも向いています。

 「もう歳だから」と諦めず、ためらわずに受診してみてください。そして、担当医と相談しながら、適切な治療を受け、快適な生活を送っていただければと思います。

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