疲れを取るためにマッサージに行きたい、サウナに行きたい、家に帰って早く寝たい…。しかし、それがかなわないのがサラリーマンの宿命。そんな時に「耳を引っ張るだけで疲れが取れる」と説く耳寄りな情報がある。果たしてその真偽は-。
耳を引っ張れば疲れが取れる。それどころか、イライラや不眠などのストレス症状も軽減する-。「そんなこと言われても、にわかには信じられない」というお父さんが大半だろうが、まあ、ここはひとつ最後までお付き合いいただきたい。
「1日1分であらゆる疲れがとれる耳ひっぱり」(飛鳥新社)の著者・藤本靖氏は、耳を引っ張るだけで体と心がリセットされ、人生までが変わると断言する。
著者は「『疲れない身体』をいっきに手に入れる本」(さくら舎)などの著書を持つ“身体論者”。アメリカで生まれた「ロルフィング」というボディーワークの施術者として知られている。
そんな著者が研究の末に自ら編み出した究極の疲労除去法が、「耳を引っ張る」という、極めて簡単な動作なのだ。
本書によると、耳を引っ張ることで、体内では次のような変化が生じ、体内の各所でゆがみが改善され、疲れやそれに伴って生じるさまざまな不定愁訴が解消に向かうという。
まず、基本知識として押さえておきたいのが「蝶形骨」という目の奥にある骨。頭のほぼ中央に位置するこの骨は目、鼻、耳、口など、顔のあらゆる感覚器に連動していて、それら感覚器が感じるストレスを直接感じ取る。この蝶形骨は脳を載せた皿のような役割を持つだけでなく、骨の内部を神経が通るなど、非常に重要な役割を担う。
ところが、ストレスでこの骨にゆがみやこわばりが生じると、神経が圧迫されて痛みを生じたり、連動する感覚器にもダメージが及ぶ。これが「疲れ」の原因だ。
しかも蝶形骨は筋膜を通じておなかにある「横隔膜」とも連動している。つまり、蝶形骨にゆがみが生じると、遠く離れた横隔膜にもゆがみが伝わり、横隔膜が接する胃や腎臓などの臓器にも負担がかかる。目や耳で得た情報が脳でストレス症状を引き起こすのは理解できるが、消化器や腎臓などの臓器にも悪影響を及ぼすのは、こうしたメカニズムによるもの、というのが著者の論。
では、なぜ耳を引っ張るとそうした疲労や諸症状が軽快するのだろう。
耳を引っ張ることで頭の両側面にある「側頭骨」が横に広がり、側頭骨と蝶形骨の接合部の“あそび”が緩んで、こわばりが解消する。蝶形骨に余裕ができると、その支配下にある脳や各臓器にもゆとりができ、緊張状態が解消することで疲労や不快な症状が軽減する-という仕組みだ。
耳を引っ張ると言っても、やみくもに力いっぱい引っ張ればいいというものではない。耳のくぼみを指で押さえて、ほんの2-3ミリ引っ張るだけで効果が得られる。
「パソコン疲れに代表される日常生活の疲れは、神経に蓄積して頭の中心をこわばらせます。そこを緩めてあげるのが耳引っ張り。体の疲れだけでなく、職場の人間関係など心のストレスにも効果てきめんです」と語るのは編集を担当した飛鳥新社の矢島和郎氏。こうも助言する。
「二日酔い解消や大事な商談の前の緊張緩和など、サラリーマンに最適の健康法です」
誰でもどこでもできる便利なテクニック。簡単に読める内容なので、身に付けておいて損はないかも。 (竹中秀二)
※耳ひっぱり・・・参考にしてみてはどうでしょうか??