各地で寒さが深まってきました。暦の上では、とうに立冬を過ぎています。一日ごとの寒暖差が激しい日も多く、体調を崩しやすい時期でもあります。「規則正しい生活リズムを保つ」「疲れをためないよう、十分に睡眠をとる」など健康管理の基本を、この季節だからこそ、再確認していきましょう。併せて、「栄養バランスの取れた食事を取るよう心がける」「室内、室外の気温差に気をつける」など、日ごろの注意も大切です。
仏法の健康論に、病気が起こる原因を六つの角度から述べている部分があります。そこでは「四大が不順で、調和しないゆえに」=気候の不順など外界の変化に適応できず、体の調和〈四大〉が乱れることによって、「座禅が調わないゆえに」=生活リズムの乱れによって、などと指摘しています。これらは、健康のポイントとして昔から言われ続けていることでもあります。”人類の智慧”といえるでしょう。小さなこととして軽視することなく、十分に留意していきたいものです。
例年、これからの季節は、インフルエンザが流行する時期でもあります。昨年から今年の前半にかけて、ノロウイルス、ロタウイルスなどの感染性胃腸炎や風疹が大流行しました。さらに、いつの世も”風邪は万病のもと”であります。これらの予防の共通点は、手洗い、うがいの励行です。外出から戻った時や食事の前には、「せっけんを使って手首までしっかりと洗う」「うがい薬を使ってうがいをする」などの基本的な取り組みを、きちんと励行していきましょう。
健康は、自ずと手に入るものではありません。自らが医師のごとく体調を管理し、健康のための智慧を発揮し続けて、初めて保つことができます。賢明な生活習慣で、はつらつと活躍できる「健康勝利」の毎日でありたいものです。